コーチ・エィ発行のメールマガジン読者を対象にしたアンケート調査では、99%の人が組織の変化が「非常に必要」または「必要」と回答しています。 (※1)
では、「組織の変化」をおこすためには、どのような要素が重要なのでしょうか。
コーチング研究所が実施している「リーダーシップおよび組織の状態」に関する調査の項目から、「私の会社では、過去に成功してきた考え方・やり方にこだわらず、常に新しい考え方・やり方を導入している」を、「組織の変化」を表すものとして着目し、組織に影響をおよぼす5つの要素との関係を分析しました。
コーチング研究所調査 2014年
分析の結果、「組織の変化」項目と最も相関が強い要素は「社員間のつながり 0.78(相関係数、以下同)」でした。次に「目標への期待 0.72」「組織運営の仕組み 0.68」と続きます。
さらに、「社員間のつながり」とはどういうことなのか、「社員間のつながり」を構成する要素の中で「組織の変化」項目と関係の強い3項目(相関係数上位3項目)を調べたところ、結果は次のとおりでした。
1. 組織のメンバーは異なる意見であっても相手の話を聞こうとする姿勢がある。(0.80)
2. 社員は、自分が得た情報や経験を、積極的に組織のメンバーに共有している。(0.79)
3. 組織のメンバーは、相手が違う部署であっても、領域を超えて協力している。(0.74)
( )...相関係数
社員同士が、意見や立場、部署が異なる人たちと積極的に「つながり」を築くことで、お互いの視点が交換され、新たなアイディアや行動が引き起こされているのでしょう。
「組織の変化」は、社員間の多様な「つながり」によって、一人ひとりの創造性が育まれ実現されていくものと言えそうです。
(※1)「組織の変化に関するアンケート調査」-アンケート調査結果レポート-(2014)
(※2)各要素の主要項目
- リーダーの発信
- リーダーは、
・組織のビジョンを明確に示している
・自分の信念を組織のメンバーに伝える機会を設けている 等
- リーダーへの信頼
- リーダーは、
・誰に対しても公平に振る舞っている
・魅力的な自分らしさを持っている 等
- 社員間のつながり
-
・組織メンバーは、異なる意見であっても相手の話を聞こうとする姿勢がある
・社員は、自分が得た情報や経験を積極的に組織のメンバーへ共有している 等
- 目標達成への期待
- 社員は、
・それぞれが所属する部署の成長を感じている
・会社の今季の目標は達成されると思っている 等
- 組織運営の仕組み
-
・組織では、お互いの仕事の進捗が「見える化」されている
・組織の人材育成の制度は、現場で必要な能力向上に最適なものと感じる 等
調査概要
- 調査対象:
- 98社の組織のリーダーに対する部下3,455名
- 調査期間:
- 2011年9月~2014年4月
- 調査方法:
- ウェブアンケートへ回答
- 調査内容:
- Executive Mindset Inventory
リーダーシップおよび組織の状態に関する調査