調査結果

イノベーティブな風土づくりの "鍵" となる社長の振る舞い

リーダー同士のつながりが強い会社と弱い会社では、社長の行動に大きな違いがある

組織にイノベーティブな風土をつくるうえで、特に重要な要素の1つに、役員や管理職(以下、「リーダー」)が互いにコミュニケーションを交わし、強いつながりをもつことがあると分かっています(※1)。

では、リーダー同士のつながりが強い会社の社長は、どのような振る舞いをしているのでしょうか。

コーチング研究所では、39社の組織調査のデータを分析し、リーダー同士のつながりが強い会社の「社長の行動」の特徴を調べました。

リーダー同士のつながりが強い会社と、つながりが弱い会社の2つに分類し(※2)、それぞれの「社長の行動」を比較したところ、大きな違いがみられました(図1)。

図1. 社長が実施している行動の比較
- リーダー同士の "つながりが強い会社"と"弱い会社"で差が大きかった 上位5項目 -
  社長の行動 社長が実施している割合(※3)
A.リーダー同士のつながりが強い会社
(21社)
B.リーダー同士のつながりが弱い会社
(18社)
1 組織のあるべき姿について伝えること
2 部下のやる気があがる提案・要望をすること
3 変化を起こすための経営資源を調達すること
4 宣言したことを必ず実行に移すこと
5 社長の話が理解しやすいこと

※2 (A)リーダー同士のつながりの強い会社と(B)弱い会社の分類方法:
  設問「上司は他の上長と十分なコミュニケーションを交わしている」に対する回答の平均値を基準に分類(その他部下の回答より)
※3 7段階評価の平均が5.0以上だった社長の割合をAとBの各々で算出(リーダーの回答より)

7段階評価(1.全くあてはまらない-7.とてもよくあてはまる)
n=39社の社長39人、役員や管理職(リーダー)503人、その他の部下5,243人
コーチング研究所調査 2016年

リーダー同士のつながりが強い会社と弱い会社の比較から、これらの社長の行動は、リーダー同士のつながりを強くすることに役立つと考えられます。

特に重要な行動といえる、リーダー同士のつながりが強い会社の90%以上の社長がとっていた行動は、次の3つでした。

・ 1. 組織のあるべき姿について伝えること
・ 4. 宣言したことを必ず実行に移すこと
・ 5. 社長の話が理解しやすいこと

社長がこれらの行動をとっていない場合、ほとんどの会社はつながりの弱い会社と言えます。

リーダー同士のつながりの強さとイノベーティブな風土には深い関係があることから(※1)、組織にイノベーティブな風土をつくる鍵は、今回の調査から分かった「社長の行動」にあると考えられます。

あなたの会社の社長は、どのような振る舞いをしていますか?

※1 「イノベーティブな風土と役員間のコミュニケーション」 (2015年コーチング研究所調査)

調査概要

調査対象: 39社の社長39人、役員や管理職(リーダー)503人、その他の部下5,243人
調査期間: 2011年9月~2016年7月
調査方法: ウェブアンケートへの回答
調査内容: Executive Mindset Inventory (社長の行動40項目)

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